米発の金融危機の核心を突く内容だ。
関係者へのインタビューやニュースに基づいて、制作されている。
どのように経済と金融の規制緩和が進められたか? なぜ政府はそれを推進したのか?
ローンの証券化は貸し手の行動をどう変えたか?
なぜ格付け会社はサブプライムローンを含むCDOに最上級の評価を与えたのか?
一部の人々がデリバティブの危険性を指摘したのに、なぜ米当局やFRBは規制強化しなかったのか? なぜ一部の経済学者は安全だとレポートしたのか?
なぜ金融機関は顧客に販売した商品(CDO)の保険(CDS)を購入したのか?
本作を見ると、利益が相反するはずの関係者が見返り(報酬や寄付、献金など)によって結びついていたことがはっきりする。
例えば、アイスランド関連の機関から報酬をもらってレポートを書いた米経済学者は、アイスランドの金融機関を健全だと評価した。
格付け会社は発行体からの報酬で(最上級の)格付けをした。
政治家や政府の監督機関は金融機関のために働いた。
結果として、緩くなった審査基準で実行された住宅ローンの貸付は最上級格付けを与えられた証券化商品となり、ローリスクハイリターンという肩書で投資家に売却され、世界中に広まった。
ぼろ儲けの金融機関は大いに繁栄するも、ローンの焦げ付きが目立ち始め、資金繰りに行き詰まり、破綻した。
責任のない高報酬が続くと、脇(考え方)が甘くなる。
人間の強欲が原因だ。